野帳の右端が、どうしても合わない
レベルを据えて、後視を読んで、前視を読んで、また据え直して。半日かけて埋めた野帳を宿舎で開き、右端の検算欄に Σ後視 − Σ前視 と 末端GH − 出発GH を書き込む。合わない。0.003 だけ違う。どこかの行で書き写しを間違えたのか、それとも足し算をひとつ落としたのか、鉛筆を持ったまま3行目と4行目を何度も往復する。測量実習でも現場でも、たぶん誰もが一度は通る時間だ。
やっかいなのは、野帳で「合わない」に二種類あることだ。ひとつは検算が合わない場合。これは純粋な計算間違いで、観測の良し悪しとは無関係。もうひとつは、検算はぴたりと合っているのに、到着したBMの成果標高と自分の観測値が数mmずれている場合。こちらは計算ではなく観測そのものの誤差で、閉合差と呼ばれる。前者は消しゴムで直る。後者は直らない。許容範囲に収まっているかを判定して、収まっていれば各点に配分し、超えていれば測り直すしかない。
このツールは、その切り分けを1画面でやる。後視・前視を行ごとに入れると、器高式と昇降式の両方で地盤高を出し、検算を照合し、閉合差を作業規程の準則の許容範囲と突き合わせ、許容内なら誤差配分後の補正標高まで返す。合わないのが計算なのか観測なのか、まずそこをはっきりさせるための道具だ。
なぜ作ったのか — 「3級は10mm√S」を閉合差に使ってはいけない
作るきっかけは、許容値の引用ミスが世の中に溢れていることに気づいたことだった。
「水準測量 許容誤差」で検索すると、どのページにもほぼ同じ数字が並ぶ。1級 2.5、2級 5、3級 10、4級 20、簡易 40。単位は mm√S。早見表としてよくまとまっていて、覚えやすい。問題は、この数字が何の許容値なのかが省かれていることが多い点だ。
これは作業規程の準則の【第65条第一号】の表、つまり往復観測値の較差の許容範囲である。同じ区間を往路と復路で測って、その2つの高低差がどれだけ食い違ってよいかの基準だ。路線を既知点に結合したときの閉合差の許容値ではない。
閉合差の許容範囲は【第69条第1項第二号】に別の表がある。しかも路線の形式で2系統に分かれる。出発点に戻る環(閉合路線)の環閉合差が 2 / 5 / 10 / 20 / 40 mm√S、既知点から別の既知点へ結ぶ結合路線の閉合差が 15 / 15 / 15 / 25 / 50 mm√S。
環のほうは第65条の数字と偶然そっくりなので、取り違えても気づけない。しかし結合路線は桁が違う。1級の結合路線で「1級だから 2.5mm√S」を当てはめると、許容が本来の 15 に対して 2.5、つまり6分の1になる。正常に測れている観測が軒並み再測対象に見えてしまう。逆に環路線へ結合の 15 を持ち込めば、1級で本来NGの観測が7.5倍の甘い基準ですり抜ける。どちらに間違えても実害が出る。
実装にあたっては、孫引きの一覧表を信じずに準則の本文PDFを開き、第65条第一号の表・第69条第1項第二号の表・第70条第三号の表を原文で確かめた。第70条の「単位重量当たりの観測の標準偏差」(2 / 5 / 10 / 20 / 40 mm)まで環閉合差と同じ並びなので、三つ巴で紛らわしい。このツールは3つの表を別々に持ち、路線形式と等級から自動で正しいほうを選ぶ。数字を覚え違える余地を、そもそも作らないようにした。
器高式と昇降式とは何か — 野帳の書き方を第一原理から
器高式 とは — 空中に置いた水平な物差し
水準測量でやっていることは、突き詰めると「空中に水平な物差しを1本置いて、そこから地面までの下がりを測る」だけだ。
レベル(水準儀)を三脚に据えて水平にすると、望遠鏡の視線が水平な面を作る。この面の標高が器高(Instrument Height、IH)だ。器高さえ分かっていれば、標尺(スタッフ)を立てた点の読みを引くだけで、その点の地盤高(Ground Height、GH)が出る。物差しの高さから足元までの下がりを引く、それだけの話。
では器高はどうやって知るのか。標高が分かっている点に標尺を立てて読めばいい。標高 10.000 m の点で標尺を 1.235 m と読んだなら、視線の高さは 10.000 + 1.235 = 11.235 m。この「すでに標高が分かっている点に立てた標尺の読み」が後視(Back Sight、BS)で、「これから標高を求める点に立てた標尺の読み」が前視(Fore Sight、FS)だ。後ろを振り返って足場を確かめ、前を向いて次の点を測る、というイメージで名前が付いている。
式にすると2行で終わる。
IH_i = GH_(i-1) + BS_i 器高 = 直前の点の地盤高 + 後視
GH_i = IH_i − FS_i 地盤高 = 器高 − 前視
これが器高式(機械高式とも書く)だ。器高を明示的に1列持つのが特徴で、レベルを1回据えたまま複数の点を見る場合に強い。縦断測量や横断測量のように1据えで中間点を5点も6点も読むときは、器高をいちど出しておけば各点は引き算1回で済む。
昇降式 計算 — 引き算を先にやる書き方
同じことを、器高を経由せずに書くこともできる。上の2式から IH_i を消すと、
GH_i = (GH_(i-1) + BS_i) − FS_i
= GH_(i-1) + (BS_i − FS_i)
つまり、後視から前視を引いた値がそのまま「直前の点からの高低差」になる。この差が正なら昇(上がった)、負なら降(下がった)として野帳に書き分けるのが昇降式だ。
大事なのは、器高式と昇降式が別々の計算法ではなく、同じ式の書き換えにすぎないということ。式変形で見たとおり恒等的に一致するので、正しく計算していれば両者の地盤高は必ず同じ値になる。違う値が出たなら、それは方式の違いではなく、どちらかの計算間違いだ。
使い分けは書式の都合でしかない。もりかえ点(転換点)だけを繋いで路線を延ばす水準路線なら、1据えにつき後視1・前視1しかないので、昇降式のほうが列が少なくて速い。中間点が多い現場なら器高式。試験問題では両方の様式が出るし、現場によって使う野帳の書式も違うので、結局どちらも読めるようになる必要がある。
野帳 書き方 — 1行はレベル1据付ぶんの区間
初学者がいちばん混乱するのが、野帳の1行が何を指しているかだ。1行 = レベルを1回据えた区間である。その行の後視は「直前の点」の読み、前視は「その行の点」の読みで、1つの行に別々の点の読みが同居している。だから n 行の野帳からは n+1 個の点の標高が出る(出発点と、各行の到達点)。ここを「1行 = 1点」と読み違えると、点の数も閉合差も全部ずれる。
検算式が意味していること
野帳のいちばん下で必ずやるのが、この照合だ。
Σ後視 − Σ前視 = 末端の地盤高 − 出発点の地盤高
昇降式の漸化式 GH_i = GH_(i-1) + (BS_i − FS_i) を出発点から末端まで足し合わせると、途中の地盤高が全部打ち消し合って、この式だけが残る。つまり検算は数学的な恒等式で、正しく足し引きしていれば必ず成立する。
だからこそ、検算が合わないときは計算間違いが確定する。逆に言えば、検算が合っても観測の正しさは何ひとつ保証されない。標尺が傾いていようと、もりかえ点の石が沈もうと、その読みをそのまま足し引きしている限り検算は通ってしまう。観測の良否を見るには、既知点に結合して閉合差を見るしかない。
規程の原文は国土地理院が 作業規程の準則(平成20年3月31日 国土交通省告示第413号・PDF) として公開している。用語や歴史的な背景は Wikipedia: 水準測量 が分かりやすい。
なぜこの数mmが大事か — 配分を省くと丁張りが波打つ
閉合差が数mm出たとき、いちばん手を抜きやすいのが「到着点だけ既知標高に書き換える」処理だ。帳簿の見た目は合う。だが中間点は観測値のまま残る。
これが効いてくるのが丁張りだ。造成や基礎の高さ出しは、路線の途中に打った仮BMや中間点から引く。末端だけ直した野帳では、路線の中ほどにいくほど誤差が生き残る。閉合差 6mm を配分せずに放置すれば、中間点は最大で数mmずれたまま。そこから出した丁張りの天端は、区間ごとに上下して波打つ。
勾配を持つ工種では、この数mmが比率でものを言う。50 m で 50 mm 下げる 1/1000 の排水管を敷くとき、途中のBMが 5 mm ずれていれば、その区間の勾配は1割狂う。緩勾配の側溝や土間コンの水勾配で「水が引かない」「逆に溜まる」と言われるトラブルは、材料でも施工精度でもなく、そもそもの高さの基準がずれていた、というケースがある。
だから閉合差は現場で確かめる価値がある。準則第69条は、許容範囲を超えた場合に再測を行う等の措置を求めている。再測は半日から1日の人日が飛ぶ。帰社してから超過に気づけば、機材と人をもう一度動かすことになるが、その場で気づけばもりかえ点の据え直しだけで済むこともある。
等級ごとの許容の幅にも触れておく。環閉合差の係数は1級 2、簡易 40 mm√S で、同じ 1 km の環でも 2 mm と 40 mm、20倍の開きがある。1級はそのために視準距離を短く均等に保ち、1級標尺を使い、往復観測して較差を 2.5mm√S に収める。等級を選ぶことは、そのまま作業量と機材のグレードを選ぶことだ。「とりあえず1級で」と等級だけ引き上げると、達成できない基準を自分に課すことになる。
なお水準測量は測量士補試験の頻出分野で、器高式・昇降式の野帳計算と閉合差の配分は毎年のように顔を出す。2級土木施工管理技士の学科でも同じ計算が出る。実務でも試験でも、同じ3つの表を使うことになる。
実際に使う場面
測量実習の直後の自己採点。野帳を書き終えた場でBSとFSを打ち込めば、器高式と昇降式の地盤高が並んで出る。自分が手計算した列と照らして、どの行から食い違い始めたかを追える。答え合わせの相手がいない自習でも、検算の成立と閉合差の判定という二段構えで自分の野帳を評価できる。
測量士補の過去問の検算。問題文の後視・前視をそのまま入れれば、各点の標高と閉合差が出る。等級と路線形式を切り替えて許容がどう動くかを見ると、「結合と環で表が違う」という試験でも狙われるポイントが数字で頭に入る。
造成現場で丁張りをかける前の閉合確認。仮BMから一周して戻ってくる環路線を組み、戻ってきた標高が出発点とどれだけ違うかを見る。許容内なら配分後の補正標高をそのまま高さ出しの基準に使える。丁張りを打ち始めてから基準のずれに気づくのがいちばん高くつく。
既存BMから引いた仮BMの精度確認。現場の隅に打った仮BMが、国土地理院や自治体の水準点からどれだけの精度で引けているかを、路線長と等級から評価する。仮BMの成果を関係者に配る前に、根拠となる閉合差と許容値をセットで残しておける。
3ステップで使う
1. 路線の条件を決める。まず路線の形式を選ぶ。既知点から別の既知点へ結ぶなら結合路線、出発点に戻ってくるなら閉合路線(環)、到着側に既知点がないなら開放路線。ここで許容値の表が切り替わる。次に出発点の標高、測量等級、そして結合路線なら到着点の既知標高を入れる。路線長は各行の距離の合計から自動で出すか、直接 km で入れるかを選べる。
2. 野帳を行で埋める。ここがいちばん間違えやすいので繰り返すが、1行 = レベル1据付ぶんの区間だ。その行の後視は直前の点の読み、前視はその行の点の読みで、区間距離も入れておくと路線長の自動合計と距離比例配分の両方が使える。行は追加・削除できるので、据付回数に合わせる。
3. 判定を読んで配分方式を選ぶ。検算が一致しているかをまず確認する。一致していれば計算は正しいので、次に閉合差と許容閉合差の判定を見る。許容内なら誤差配分後の補正標高が各点に出る。距離を測っていない野帳では配分方式を測点数比例に切り替える。距離が一部の行だけ空だと距離比例は成立しないので、その場合は理由が表示される。
使用例7ケース — 同じ野帳でも等級と路線形式で判定が変わる
ケース1: 3級・結合路線 0.5 km(もっとも標準的な形)
入力 — 出発点 10.000 m、4行の野帳(BS/FS = 1.235/0.987、1.502/1.310、0.876/1.654、1.100/1.766)、距離 120 / 150 / 130 / 100 m、到着点の既知標高 8.998 m、3級水準測量、路線長は距離の合計(0.5 km)、距離比例配分。
結果 — Σ後視 4.713 m、Σ前視 5.717 m で検算は一致。到着点の観測標高 8.996 m に対し閉合差は −2.0 mm。許容閉合差は 15 × √0.5 = 10.607 mm で、比率 18.9 %、許容範囲内。配分後の各点は 10.2485 / 10.4411 / 9.6636 / 8.9980 m となり、到着点は既知標高の 8.998 m にぴたりと戻る。
解釈 — 補正量は +0.48 / +1.08 / +1.60 / +2.00 mm と、路線を進むほど大きくなる。これが誤差配分の姿だ。「末端だけ直す」処理では中間の3点が観測値のまま残るが、実際には最大 1.60 mm の補正が入っている。参考値として往復較差の許容 7.071 mm も出るが、これは判定には使っていない。
ケース2: 同じ野帳を1級・2級に変えても許容が動かない
入力 — ケース1とまったく同じ野帳で、等級だけ1級(および2級)に変更。
結果 — 許容閉合差は 10.607 mm、係数 k = 15.0 のまま。比率も 18.9 % で変わらない。動くのは参考表示の往復較差だけで、3級 7.071 mm → 2級 3.536 mm → 1級 1.768 mm と厳しくなる。
解釈 — バグではなく準則どおり。結合路線の閉合差の許容は1級・2級・3級とも 15mm√S で同値だからだ。既知点そのものの成果が持つ精度に律速されるので、路線側を精密にしても既知点間の許容は縮まらない。等級の差は観測の作り方、つまり往復観測値の較差のほうに現れる。
ケース3: 3級・閉合路線(環)0.85 km
入力 — 出発点 25.400 m、4行(1.412/1.208、0.955/1.673、1.744/1.021、0.887/1.093)、距離 200 / 250 / 220 / 180 m、閉合路線、3級、距離の合計 0.85 km、距離比例配分。
結果 — 一周して戻った観測標高は 25.403 m で、閉合差 +3.0 mm。許容は 10 × √0.85 = 9.22 mm、比率 32.5 % で許容範囲内。補正量は −0.71 / −1.59 / −2.36 / −3.00 mm、補正後の到着点は 25.400 m。
解釈 — 環路線では到着点の既知標高を入れる必要がない。出発点に戻ってくるのだから既知標高は出発点の標高そのもので、閉合差はそのまま Σ後視 − Σ前視 の残りに等しい。既知点が現場に1つしかなくても観測の良否を検出できるのが環路線の利点だ。
ケース4: 同じ環路線を1級で判定すると反転して NG
入力 — ケース3とまったく同じ野帳で、等級だけ1級に変更。
結果 — 許容が 2 × √0.85 = 1.844 mm に縮み、閉合差 3.0 mm は比率 162.7 % で許容超過。
解釈 — 結合路線では1〜3級が同値だったのに、環路線では 2 / 5 / 10 と等級がそのまま効く。同じ観測が3級で余裕あり、1級で再測対象になる。「この野帳は何級の観測として扱うのか」を先に決めないと判定が意味を持たない、ということがこの2ケースの対比ではっきりする。ちなみに1級の往復較差の許容は 2.305 mm で、閉合差 3.0 mm はこちらも超えている。
ケース5: 簡易水準測量・造成地の丁張り(環 0.36 km)
入力 — 出発点 8.400 m、3行(0.845/1.032、1.210/0.918、0.960/1.070)、距離 120 / 130 / 110 m、閉合路線、簡易水準測量、距離の合計 0.36 km、測点数比例配分。
結果 — 観測標高 8.395 m、閉合差 −5.0 mm。許容は 40 × √0.36 = 24.0 mm で比率 20.8 %、許容範囲内。往復較差の欄は数値ではなく「規定なし」。補正量は +1.67 / +3.33 / +5.00 mm、補正後は 8.2147 / 8.5083 / 8.4000 m。
解釈 — 簡易水準測量は準則第64条第2項第二号で片道観測とされていて、第65条の往復較差の表に簡易の欄がない。だから参考値も出ない。測点数比例配分では補正量が 5.00 / 3 = 1.667 mm ずつ等分に増えるので、区間長が不揃いな現場では距離比例と数値が変わる。距離を測っているならケース1と同じく距離比例のほうが準則の考え方に近い。
ケース6: 閉合差が許容ちょうど(3級・結合 0.16 km)
入力 — 出発点 3.750 m、3行(1.100/1.352、1.605/1.008、0.902/1.550)、距離 60 / 50 / 50 m、到着点の既知標高 3.441 m、3級、距離の合計 0.16 km。
結果 — 観測標高 3.447 m、閉合差 +6.0 mm。許容は 15 × √0.16 = 6.0 mm ちょうどで、比率 100.0 %、判定は許容範囲内。補正量 −2.25 / −4.13 / −6.00 mm で、補正後の到着点は既知標高 3.441 m。
解釈 — 境界ちょうどを OK 側に倒す設計にしてある。ただしこのケースは実装上のハマりどころでもあって、素直に計算すると閉合差が 6.0 ではなく 6.00000000000022737 になる。詳しくは次章で扱う。実務的には比率100 %は「たまたま通った」水準なので、余裕を見るなら観測条件を確認しておきたいところだ。
ケース7: 1級水準測量・結合路線 2.0 km
入力 — 出発点 45.678 m、4行(1.325/1.008、1.107/1.492、0.884/1.201、1.550/0.973)、距離 500 m × 4、到着点の既知標高 45.872 m、1級、距離の合計 2.0 km、距離比例配分。
結果 — 観測標高 45.870 m、閉合差 −2.0 mm。許容は 15 × √2.0 = 21.213 mm で比率 9.4 %、余裕をもって許容範囲内。往復較差の許容は 2.5 × √2.0 = 3.536 mm。補正量 +0.50 / +1.00 / +1.50 / +2.00 mm。
解釈 — 路線が長いほど許容は √S で緩む。0.5 km で 10.607 mm、2.0 km で 21.213 mm と、距離が4倍でも許容は2倍にしかならない。ここでも閉合差 2.0 mm は許容 21.213 mm に対して余裕があるが、往復較差の 3.536 mm と比べると余裕は小さい。1級で実際に効いてくる縛りは、閉合差ではなく往復観測の較差のほうだ、という感覚がこの数字から掴める。
仕組み・アルゴリズム — 2方式の並列出力と3つの許容表の出し分け
なぜ器高式と昇降式を両方出すのか
各点の標高を求めるだけなら、実装は昇降式1本で足りる。前の地盤高に BS − FS を足していくループが1つあればいい。それでも器高の列を別に持って両方式を並べているのは、理由が2つある。
ひとつは、現場と教科書で使う野帳の書式が割れているから。手元の野帳が器高式なら器高の列と突き合わせたいし、昇降式なら昇・降の列と突き合わせたい。列が対応していない計算結果は照合の役に立たない。
もうひとつは、2つの合計が互いの検算になるから。器高式側は Σ後視 と Σ前視、昇降式側は Σ昇 と Σ降 を持ち、Σ後視 − Σ前視 = Σ昇 − Σ降 = 末端GH − 出発GH が同時に成り立つ。手計算した数字と照らしたとき、どこが崩れているかで書き写しミスの位置を絞り込める。
許容範囲の3つの表をどう出し分けたか
前半で触れたとおり、準則には紛らわしい表が3つある。実装ではこれを別々のテーブルとして持つ。
第65条第一号 往復観測値の較差 2.5 / 5 / 10 / 20 / (簡易は欄なし)
第69条1項二号 環閉合差 2 / 5 / 10 / 20 / 40
第69条1項二号 既知点間の閉合差 15 / 15 / 15 / 25 / 50
1級 2級 3級 4級 簡易
選択のロジックは単純だ。路線形式が閉合路線なら環閉合差の表、結合路線なら既知点間の表、開放路線ならそもそも閉合差が定義できないので判定しない。そこへ等級のキーを当てて係数 k を取り出し、許容範囲 = k × √S を計算する。第65条の往復較差は判定には使わず、参考値として別枠に出す。簡易水準測量は片道観測なので、この欄だけ「規定なし」を返す。
√S の S は片道の観測距離を km で入れる。ここを m のまま扱うと、0.5 km を 500 と書いた瞬間に許容が √1000 倍、およそ31.6倍に膨らむ。単位換算はツール側で閉じてある。
誤差配分の2方式と、準則第70条の重み付き平均
閉合差 e が出たら、それを打ち消す向きの補正量 −e を各点に配る。配り方は2つ用意した。
測点数比例: 補正量_i = −e × (i / n)
距離比例: 補正量_i = −e × (累加距離_i / 総距離)
根拠にあるのは、誤差は路線を進むほど溜まっていくという仮定だ。出発点は既知点だから誤差ゼロ、到着点で e ぶんだけ溜まっている。その間をどう按分するかで、距離を重みに使うか測点数を重みに使うかが分かれる。
準則第70条は、平均計算において「距離の逆数を重量とする」ことを定めている。単一の路線では、この重み付き最小二乗の解が距離比例配分と一致する。だから標準は距離比例で、測点数比例は距離を測っていない野帳のための簡便法という位置づけになる。ツールの既定も距離比例にしてあるが、1行でも距離が空だと距離比例は成立しない。そのとき黙って測点数比例に落とすと、選んだのと違う配分の数字が出てしまうので、自動フォールバックはせず理由を示して補正列を空欄にする設計にした。
なお誤差配分そのものが後処理であって、観測の不良を救う手段ではない点は押さえておきたい。配分は「系統的な偏りがなく、誤差が距離(または測点数)に比例して溜まった」という仮定に立つ。閉合差が許容を超えているときは、その仮定自体が疑わしい。
境界ちょうどが NG に化ける浮動小数の罠
いちばん手こずったのがここだ。閉合差は (観測到着GH − 既知到着GH) × 1000 で mm に直している。標高側は 3.447 や 3.441 のように m 単位の小数で、それを引いてから1000倍する。この往復変換で IEEE754 の丸め誤差が拡大される。
使用例のケース6(3級・S = 0.160 km・閉合差 6.0 mm = 許容 6.0 mm)を素直に計算すると、閉合差の絶対値は 6.0 ではなく 6.00000000000022737 になる。許容は 15 × √0.16 = 6.0 ちょうど。閉合差の絶対値 > 許容 で判定すると、境界ぴったりの正常な観測が「許容超過」に化ける。
厄介なのは、これが常に起きるわけではないことだ。もうひとつの境界テスト(4級・S = 1.000 km・閉合差 20.0 mm = 許容 20.0 mm)は誤差が下振れして 20.0 以下に収まり、そのまま素通りしてしまう。境界ケースを1本しか置いていなければ発見できない類のバグで、だから検証用のテストは上振れ・下振れの2組を用意してある。
対策は2つ。判定に許容誤差を入れて 閉合差の絶対値 ≦ 許容 + 1e-9 とすること、そして判定結果をフラグ1つに集約し、ステータス表示もゲージも縦断図の寸法線も、すべてそのフラグだけを参照させること。後者を怠ると、許容誤差を入れた箇所と入れ忘れた箇所で表示が食い違い、「判定は許容内なのに図だけ赤い」という状態が生まれる。
計算例: 使用例ケース1をステップで追う
出発点 GH0 = 10.000
行1 BS=1.235 FS=0.987 IH1 = 10.000 + 1.235 = 11.235 GH1 = 11.235 − 0.987 = 10.248
行2 BS=1.502 FS=1.310 IH2 = 10.248 + 1.502 = 11.750 GH2 = 11.750 − 1.310 = 10.440
行3 BS=0.876 FS=1.654 IH3 = 10.440 + 0.876 = 11.316 GH3 = 11.316 − 1.654 = 9.662
行4 BS=1.100 FS=1.766 IH4 = 9.662 + 1.100 = 10.762 GH4 = 10.762 − 1.766 = 8.996
検算 Σ後視 4.713 − Σ前視 5.717 = −1.004
末端 8.996 − 出発 10.000 = −1.004 一致
閉合差 e = (8.996 − 8.998) × 1000 = −2.0 mm
許容 = 15 × √0.5 = 10.607 mm 比率 18.9 % 許容範囲内
配分(距離比例・累加距離 120 / 270 / 400 / 500 m)
補正量_1 = +2.0 × 120/500 = +0.48 mm → 10.2485
補正量_2 = +2.0 × 270/500 = +1.08 mm → 10.4411
補正量_3 = +2.0 × 400/500 = +1.60 mm → 9.6636
補正量_4 = +2.0 × 500/500 = +2.00 mm → 8.9980 = 既知標高 8.998
到着点の補正後標高が既知標高にぴたりと戻ることが、配分が正しく効いたことの確認になる。逆に戻らなければ、配分比率の作り方か閉合差の符号のどちらかを間違えている。
標高を出すだけの水準測量ツールとの違い
Web で「水準測量 計算」を探すと出てくるのは、器高式のフォームか昇降式のフォームのどちらか一方だ。後視と前視を並べて入れると各点の地盤高が表になって出て、そこで終わる。前半で触れたとおり、閉合差の許容値は準則のなかで3つの表に分かれていて、どれを引くかで許容が数倍ずれる。標高だけ出して「あとは自分で表を引いて」という設計だと、いちばん間違えやすい工程がまるごとユーザー側に残る。
差が出るのは3点。
① 同じ入力から器高式と昇降式を並べて出す。 現場の野帳がどちらの書式でも読み替えずに入力できるし、Σ後視・Σ前視の合計とΣ昇・Σ降の合計が互いに独立した検算になる。片方だけの実装だと、手元の野帳をもう一方の書式に書き換える手作業がひとつ増える。
② 準則の3つの表を、路線形式と等級で自動的に出し分ける。 結合路線なら既知点から既知点までの閉合差(15 / 15 / 15 / 25 / 50 mm√S)、閉合路線なら環閉合差(2 / 5 / 10 / 20 / 40 mm√S)、そして往復観測値の較差(2.5 / 5 / 10 / 20 mm√S)は別枠の参考値として並べる。どの表を引くかという判断そのものをツール側に持たせたのが本題で、路線形式のボタンを切り替えれば係数も条文も一緒に切り替わる。
③ 判定で止めず、誤差配分後の補正標高まで出す。 距離比例と測点数比例を切り替えられて、中間点の補正量が1点ずつ出る。縦断図に観測値の折れ線と補正後の折れ線を重ねているのは、「配分=末端だけ帳尻を合わせる作業」という誤解をほどくためだ。中間点も動いている、というのは図で見たほうが早い。
関連ツールとの守備範囲もはっきり分けてある。測定値の不確かさを合成して有効数字を決めるという一般論は誤差伝播のツールの担当で、こちらは作業規程の準則という業界固有の閾値に判定を寄せている。土の含水比や間隙比の換算は土の三相図のツール、出した高さから勾配を決める側の計算はドレン配管のツール、重機を据える地盤の接地圧は敷鉄板のツール。高さを確定させる工程がこのツール、その高さを使って何かを決める工程は別ツール、という分担にしている。
許容範囲が「mm√km」という妙な単位になるわけ
準則の許容値はどれも k×√S の形をしていて、単位は mm√km。掛け算でも割り算でもなく平方根が挟まるのは、水準測量の誤差が「独立な誤差の足し算」だからだ。
レベルを1回据えるたびに、目盛の読み取り誤差・標尺のわずかな傾き・気泡管の調整残りといった小さな誤差が乗る。これらは毎回ばらばらの向きに出るので、n回ぶんを足しても単純に n 倍にはならない。統計でいう独立な確率変数の和で、分散が n 倍、標準偏差は √n 倍になる。
1据付あたりの誤差の標準偏差を σ、据付回数を n とすると
路線全体の誤差の標準偏差 = σ × √n
視準距離が一定なら n は路線長 S に比例するので
路線全体の誤差 ∝ √S
→ 許容範囲 = k × √S
だから路線長が4倍になっても許容範囲は2倍にしかならない。長い路線ほど1kmあたりの許容が実質的に厳しくなる、という直感に反する性質はここから来ている。同じ考え方は測定値の誤差伝播として一般化されていて、水準測量の許容表はその特殊解のひとつにすぎない。
結合路線だけ1〜3級が同じ 15mm√S なのはなぜか
環閉合差は 2 / 5 / 10 / 20 / 40 と等級ごとにきれいな階段状に並ぶのに、既知点から既知点までの閉合差だけは1級・2級・3級が揃って 15mm√S になる。表の書き間違いではなく、そもそも測っているものが違う。
環閉合差が比べているのは自分の観測どうしだ。同じ点に戻ってくる以上、精密に観測すればするほど差は小さくなる。一方、結合路線の閉合差には両端の既知点の成果そのものが持っている誤差が入り込む。BMの成果は別の年に別の測量で決まった値で、その2点の相対関係にはすでに誤差が含まれている。路線側をどれだけ丁寧に観測しても、両端が持ち込む食い違いは消せない。律速しているのが既知点側である以上、路線側の等級を上げても許容は縮まらない——これが1〜3級同値の中身だ。等級による観測精度の差は、既知点の誤差が混入しない量、すなわち往復観測値の較差(2.5 / 5 / 10 mm√S)のほうに現れる。
簡易水準測量だけ片道でよい理由
準則第64条第2項第二号は「観測は、簡易水準測量を除き、往復観測とする」と書いている。簡易だけが名指しで除外されているので、第65条の往復較差の表にも簡易の行が存在しない。往復で確かめない代わりに、環閉合差の許容が 40mm√S と全等級中もっとも緩く設定されている、という組み立てになっている。
ついでに、条文を引くときの罠をひとつ。準則第70条第三号の「単位重量当たりの観測の標準偏差」も 2 / 5 / 10 / 20 / 40 mm という並びで、環閉合差の係数と数字が完全に一致する。こちらは平均計算の許容範囲であって閉合差の許容ではない。数字だけ覚えていると取り違えるので、条文番号まで見て引くのが安全だ。そもそも準則は測量法第34条に基づいて国土交通大臣が定めるひな形で、公共測量の作業規程はこれに準拠して作られる。本文は国土地理院が公開しているので、迷ったら孫引きの早見表ではなく原文にあたるのが早い。
野帳の精度を上げる、現場の5つの作法
視準距離を前後で等しくする。 レベルから後視の標尺までと、前視の標尺までの距離を揃えて据えると、視準線が水平から傾いている誤差(視準軸誤差)が前後で同じ量だけ乗り、引き算で消える。地球の丸みによる球差と大気の屈折による気差も同じ理屈で相殺される。歩測でいいので「後ろ30歩・前30歩」を癖にしておくと、機械の調整が多少狂っていても成果に響かない。
据付回数を偶数にし、標尺を交互に立てる。 標尺の底面は使ううちに摩耗して、目盛のゼロと実際の底面がわずかにずれる(0点誤差)。同じ標尺が後視と前視で1回ずつ登場する配置にして据付を偶数回で終えると、この誤差が路線全体で打ち消し合う。2本の標尺を持ち出したら、どちらをどこに立てたかを野帳の隅にメモしておくと後で検証できる。
もりかえ点は堅固な場所に取る。 後視を読んでから前視を読むまでのあいだに標尺が沈んだり動いたりすると、その分がまるごと誤差になる。柔らかい土やアスファルトの継ぎ目は避け、コンクリートの角・埋め込み鋲・スタッフピンを使う。閉合差が許容ぎりぎりで出たときに真っ先に疑うのがここだ。
距離欄は正確に測っていなくても埋めておく。 距離が1行でも空だと、路線長の自動合計も距離比例配分も止まる。歩測の概算でも入れておけば両方が動く。逆に距離をまったく測らない野帳なら、最初から配分方式を測点数比例にしておくほうが素直。使用例の各ケースで距離を全行に入れているのはこのためだ。
往復観測の復路では、別のもりかえ点を使う。 往路と同じ点を踏むと、その点固有の誤差(沈下・傾き)が往復で相殺されてしまい、較差に現れない。較差は小さいのに真の誤差は残っている、というもっともたちの悪い状態になる。復路はコースを少しずらす。
よくある質問(水準測量 計算ツール編)
等級を1級に変えたのに、許容閉合差が動かない。バグ?
結合路線を選んでいるなら、それが正しい挙動だ。準則第69条の「既知点から既知点までの閉合差」の表は、1級・2級・3級とも 15mm√S で同値になっている。理由は豆知識のセクションで書いたとおりで、両端の既知点の成果精度に律速されるため。
等級を変えて動くのは往復観測値の較差の参考値のほう(2.5 / 5 / 10 mm√S・第65条)で、こちらは観測そのものの精度要求を表している。閉合差側で等級差を見たいなら路線形式を閉合路線に切り替える。環閉合差の 2 / 5 / 10 mm√S が効いて、同じ野帳でも判定がはっきり分かれる。ツール側でも結合路線で1〜3級を選んでいるあいだは同値である旨の注記が添えられるようにしてある。
往復較差の欄が「規定なし」と出るのはどんなとき?
等級を簡易水準測量にしたときだ。準則第64条第2項第二号で簡易だけが往復観測の対象から外れており、第65条の較差の表にも簡易の行がない。規定が存在しないものを計算で埋めると「簡易にも往復較差の基準がある」という誤解を生むので、数値ではなく「片道観測のため規定なし」と表示する。
閉合差の判定側は簡易でも通常どおり動く。環なら 40mm√S、結合なら 50mm√S が効く。往復で確かめたい観測なら等級を4級以上に設定して計算すると、その等級の往復較差の許容が参考値として出る。なお表示している往復較差の許容は、区間長を路線長とみなして k×√S に入れた値である旨の注記が添えられる。区間ごとに較差を点検するときは、その区間の距離で計算し直してほしい。
距離を入れていないと、何が使えなくなる?
2つある。①路線長 S の自動合計(許容閉合差の √S の中身)と、②距離比例配分だ。どちらも全行の距離が揃っていないと成立しない。1行でも空欄があると、路線長の合計は「—」になり、判定も配分も止まる。
判定だけ復活させたいときは、路線長の決め方を「路線長を直接入力」に切り替えて S を km で入れればいい。閉合差の許容判定はそれだけで動く。距離比例配分のほうは手入力の総距離では代替できないので(各点までの累加距離が必要)、配分方式を測点数比例に切り替える。
距離が欠けているときに自動で測点数比例へ落とすことは、意図的にしていない。方式が変わると各点の補正量が変わるので、選んだ方式と違う計算が黙って走るほうが危ないと判断した。
補正後の標高を、そのまま成果に使ってよい?
閉合差が許容内であることが大前提になる。許容を超えていても補正標高そのものは計算されて表示されるが、それは「もし観測が妥当だったら」という仮定に乗った参考値でしかない。準則第69条は許容範囲を超えた場合に再測などの措置を求めており、配分で数字を合わせて済ませてよいという話にはならない。
もう一点、本ツールが行うのは単路線の閉合差配分であって、複数路線を組んだ網平均計算(準則第70条)や、成果品の点検計算の代替ではない。1級・2級水準測量で必要になる標尺補正・正規正標高補正にも対応していない。測量実習の自己採点、試験問題の検算、現場で丁張りをかける前の概算確認——このあたりまでが守備範囲だと考えてほしい。公共測量では発注者の定める作業規程が優先する点にも注意。
開放路線を選ぶと閉合差の判定が出ないのはなぜ?
到着側に既知点がないと、観測で得た標高を突き合わせる相手が存在しないためだ。準則第69条第1項第一号イは点検路線を既知点と既知点で結合させることを求めており、開放路線はそもそも点検の形になっていない。
このとき表示されるのは検算だけになる。前半で説明した Σ後視 と Σ前視 の突き合わせは、電卓の打ち間違いや転記ミスを見つけるためのもので、標尺が沈んだ・視準線が傾いていたといった観測側の誤差は原理的に検出できない。同じ数字を2通りの経路で足しているだけだからだ。「検算が合った=観測が正しい」ではない、というのが開放路線でいちばん誤解されやすい点で、だから判定欄は空けずに「判定不可」と明示している。仮BMを打つときは、多少遠回りでも既知点に結合させるか、出発点に戻る環を組むほうがいい。
入力した野帳のデータは、どこかに送信・保存される?
されない。後視・前視・標高・距離といった入力はすべてブラウザ内のJavaScriptだけで計算していて、サーバーへの送信も保存も行っていない。ページを再読み込みすれば初期値に戻る。着工前の現場の高さや、まだ公表していない造成計画の数値を入れても外部に出ることはない。
裏返すと、閉じれば消える。結果を手元に残したいときは「結果をコピー」でテキストとして取り出す。点名・後視・前視・器高・地盤高・補正後標高の各行に、Σ後視・Σ前視・検算・閉合差・許容閉合差・判定が付いた形式でコピーされるので、実習レポートや作業日報にそのまま貼り付けられる。
まとめ
高さそのものは、足し算と引き算で出る。難しいのは「その高さを信じてよいか」の判定のほうで、そこは準則の3つの表のどれを引くかで結論が変わってしまう。野帳を入れて、路線形式と等級を選んで、閉合差と許容範囲を突き合わせるところまでを1画面に置いた。許容内であれば、配分後の補正標高がそのまま使える。
観測値の誤差をどう合成して有効数字を決めるかという一般論は 測定誤差の伝播・有効数字計算、掘削や盛土で扱う土の含水比・間隙比・密度の換算は 土の三相図・土質定数 相互計算、確定した高さから勾配を決める工程は ドレン配管サイジングツール、重機を据える地盤側の接地圧は 敷鉄板・アウトリガー接地圧計算 が受け持つ。高さを出す前後の計算は、このあたりで一通り繋がるはずだ。
計算が合わない、条文の解釈がおかしい、この等級や補正も入れてほしい——気づいたことがあれば お問い合わせページ から知らせてほしい。
Mahiro
Mahiro Appの開発者。測量実習で野帳の検算欄だけは合っているのに閉合差が許容を超えていた経験から、計算ミスと観測ミスは別物だと学んだ。実装前に作業規程の準則の本文PDFを開き、往復較差と閉合差が別の表であることを条番号で確かめている。
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