その「1冷凍トン」は 3.86 kW か、3.517 kW か
冷凍機のカタログを2社ぶん並べて、どちらにも「10冷凍トン」と書いてある。ところが kW に直すと 38.6 kW と 35.2 kW で、1割ちがう。日本冷凍トンは0℃の水1トン(メートルトン=1000 kg)を24時間で0℃の氷にする熱量、米国冷凍トンは1米トン(2000ポンド)ぶん。同じ「トン」でも元にした重さが違うので、1 RT が 3.86 kW と 3.517 kW という別々の数字になる。どちらの流儀で書かれた資料かを取り違えれば、選ぶ機器は一回り変わる。
しかも冷凍サイクルの計算そのものが、p-h線図(モリエル線図)から比エンタルピーを目盛りで読み取る作業から始まる。同じ図を見ても人によって数 kJ/kg ずれ、その差はそのまま COP の小数第2位を動かす。
このツールは、その読み取りを冷媒物性表の補間計算に置き換える。冷媒を選んで蒸発温度と凝縮温度を入れれば、サイクル4点の比エンタルピーも、冷凍能力も、冷凍トンも日米併記で出る。たとえば家庭用エアコンの冷房定格に相当する R32・蒸発温度5℃・凝縮温度45℃なら、COP は 5.51 と出る(§7 ケース①)。
なぜ作ったのか — 物性表を孫引きしないと決めた
冷凍サイクルの計算を「ブラウザで完結する日本語のツール」でやろうとすると、置き場所が事実上無い。日本冷凍空調学会は冷媒物性を PDF の表として配布しており、検索上位に並ぶのは海外メーカーの技術解説と学会PDF、あとは「COPとは何か」という用語解説記事ばかり。冷媒を選んで温度を入れると p-h線図が描かれる場所が無い。過去問を解くたびに線図の PDF を開いて定規を当てる、という作業がずっと残っていた。
実装で一番効いた設計判断は2つある。
(1) 冷媒物性表を二次情報から取らないと決めたこと。 解説ブログやスライドに載っている転載表は、基準状態——つまり「どの温度の何を h = 200 kJ/kg とするか」——がバラバラで、複数のソースを混ぜると数値が合わない。0℃の飽和液を 200 kJ/kg とする IIR 基準と、−40℃の飽和液を 0 とする ASHRAE 基準では、同じ状態を指していても数値が丸ごとオフセットする(R134a なら約 148 kJ/kg のずれ)。そこで CoolProp 8.0.0(NIST REFPROP と同じ査読済みの基準状態方程式を実装したオープンソース)から、IIR 基準で −45〜+65℃・5℃刻みの表を機械生成した。検証は公表値との突合で行い、R134a の 0℃ で p = 0.29280 MPa・hg = 398.60 kJ/kg・sg = 1.7271 kJ/(kg·K) と有効数字5桁で一致すること、全6冷媒で hf(0℃) = 200.00 kJ/kg になることを確認している。日本の p-h線図の慣行とそのまま揃う。
(2) 逆カルノーCOP との比を主役に据えたこと。 COP の絶対値は運転条件で 0.99 から 17.8 まで動く(§7 のケース⑦と⑧がその両端)。「COP 2.5 は良いのか悪いのか」という問いに、COP 単体では答えられない。理論限界である逆カルノーCOP に対する割合なら、冷凍倉庫でもルームエアコンでも同じ物差しで比べられる。だからこのツールは、大きく出す判定を COP ではなく効率比のほうに置いている。
冷凍サイクルとは何か — p-h線図の読み方まで
冷凍サイクル とは — 熱は自分では上に登らない
熱は放っておけば高温から低温へ流れる。逆向きに——冷たい庫内から暖かい外気へ——熱を汲み上げるには、必ず仕事を入れなければならない。これが熱力学第二法則の実務的な言い換えで、冷凍サイクルはその「汲み上げ」を冷媒の相変化で実現する仕組みだ。
鍵は、液体の沸点が圧力で変わること。冷媒は低い圧力では −25℃ でも沸き、高い圧力では 45℃ で凝縮する。低圧側で沸かせば周りから熱を奪い(蒸発潜熱)、高圧側で凝縮させれば熱を放つ。この圧力の高低を作るのが圧縮機である。
たとえ話をひとつ。注射の前にアルコール綿を腕に当てると、ひやりとする。アルコールが蒸発するときに気化熱を皮膚から奪うからだ。冷凍機はこれを閉じた回路で延々と繰り返している。蒸発して熱を奪った冷媒を圧縮機で押し上げ、外気に熱を捨てて液に戻し、また蒸発させる。違いは「綿は乾いたら終わり」なのに対し、冷凍機は同じ冷媒を回し続ける点だけ。
サイクルは4つの状態変化でできている。
1→2 断熱圧縮(圧縮機) 低圧の過熱蒸気 → 高圧の過熱蒸気(仕事を入れる)
2→3 等圧凝縮(凝縮器) 高圧蒸気 → 高圧の液(外へ放熱)
3→4 等エンタルピー膨張(膨張弁) 高圧の液 → 低圧の湿り蒸気
4→1 等圧蒸発(蒸発器) 低圧の湿り蒸気 → 低圧の過熱蒸気(庫内から吸熱)
膨張弁だけ「等エンタルピー」なのは、絞り膨張では外部に仕事もせず熱も出入りしないため。圧力は下がるがエンタルピーは変わらない。
p-h線図 読み方 — 縦軸が対数目盛である理由
p-h線図は、横軸が比エンタルピー h [kJ/kg]、縦軸が絶対圧力 p [MPa] の線図で、縦軸は対数目盛で描く。理由は実際の数値を見れば分かる。§7 ケース③の冷凍倉庫は蒸発圧力 0.093 MPa・凝縮圧力 1.35 MPa、ケース④のヒートポンプ給湯は 0.80 MPa と 3.84 MPa。線形目盛だと低圧側が下端に潰れて飽和ドームの形が読めない。対数なら圧力の「比」が縦の距離として素直に読める。
図の中央には釣鐘型の飽和ドームがある。左の枝が飽和液線、右の枝が飽和蒸気線、内側が気液二相の領域だ。ドームの左外側は過冷却液、右外側は過熱蒸気。ドームの中では「温度を決めれば圧力も決まる」ので、蒸発温度を決めた時点で蒸発圧力も一意に決まる。
このドームの上にサイクルを重ねると、長方形に近い形になる。2→3 の凝縮と 4→1 の蒸発は等圧なので水平線、3→4 の膨張は等エンタルピーなので垂直線、右上がりの斜線になるのは 1→2 の圧縮だけ。このツールは冷媒ごとの飽和物性23点からドームを描き、その上に4点と4本の線を重ねて表示する。
成績係数 COP 求め方 — 線図上では「横の長さの比」
4点の比エンタルピーが決まれば、成績係数はただの引き算と割り算になる。
冷凍効果 RE = h1 − h4 [kJ/kg] (蒸発器で冷媒1kgが吸う熱)
圧縮仕事 W = h2 − h1 [kJ/kg] (圧縮機が冷媒1kgに与える仕事)
凝縮熱量 Qc = h2 − h3 [kJ/kg] (凝縮器で捨てる熱)
COP = RE / W = (h1 − h4) / (h2 − h1)
暖房COP = Qc / W = COP + 1
COP は「1 J の仕事で何 J の熱を汲み上げられたか」を表す無次元数だ。線図の上では、4→1 の横幅を 1→2 の横幅で割った比にすぎない。だから線図を眺めた瞬間に「横に長く、斜線が短いサイクルほど効率がいい」と読める。COP が 5 を超えるのは「エネルギーが増えている」からではなく、汲み上げた熱に投入した仕事が上乗せされて出てくるだけのこと。
暖房COP がちょうど +1 になるのも同じ理屈で、凝縮器で捨てる熱 = 汲んだ熱 + 入れた仕事 という保存則そのものだ。
そして理論限界が逆カルノーCOP になる。
逆カルノーCOP = Te_K / (Tc_K − Te_K) Te_K, Tc_K は絶対温度 [K]
効率比 = COP / 逆カルノーCOP × 100 [%]
この式には冷媒も過熱度も出てこない。蒸発温度と凝縮温度の2つだけで決まるのが重要な点で、だからこそ「どんな冷媒でどう工夫してもこれ以上は無理」という天井として機能する。
過熱度と過冷却度は何をしているのか
過熱度 SH は、蒸発器の出口で飽和蒸気からさらに何 K 温めたかを表す。ゼロだと液滴が残ったまま圧縮機に吸い込まれ、液は圧縮できないので圧縮機を壊す(湿り圧縮)。だから実務では 3〜8 K を確保する。
過冷却度 SC は、凝縮器の出口で飽和液からさらに何 K 冷やしたか。過冷却すると h3 が下がり、膨張は等エンタルピーで h4 = h3 だから h4 も下がる。圧縮仕事 h2 − h1 は変わらないまま冷凍効果 h1 − h4 だけが増えるので、COP が上がる。「余分な仕事なしに効く」珍しい操作で、実機で凝縮器の後段に過冷却部を設けるのはこのためだ(もちろん伝熱面積というコストは払っている)。
COP 実務 — この数字を外すと現場で何が起きるか
能力不足・圧縮機焼損・単位の取り違え
冷凍能力の見積もりを外すと、まず庫内温度が設計値まで下がらない。冷蔵で 10℃ 以下、冷凍で −15℃ 以下といった温度管理が守れず、HACCP の記録上は「逸脱」として製品の廃棄判断に直結する。増設で辻褄を合わせるにしても、電源容量と設置スペースの手戻りが発生する。
次に圧力比。圧力比が 10 を超える条件で単段圧縮機を選ぶと、体積効率が落ちて表示能力が出ないうえ、吐出温度が上がって冷凍機油が劣化し、最悪は圧縮機の焼損に至る。§7 ケース③の冷凍倉庫がまさにこの領域で、圧力比 14.5・吐出温度 167.2℃ という数字が出る。実務では二段圧縮(中間冷却器付き)や二元冷凍に切り替える判断点だ。
そして冒頭の冷凍トン。日米を取り違えれば能力を1割誤る。25 冷凍トン級だと 2.5 トンぶんの食い違いになり、機器の型番が変わる。
法令が絡む場面
冷凍設備は法規制の網の中にある。アンモニア(R717)は高圧ガス保安法と冷凍保安規則の適用を受け、冷凍能力に応じて製造の許可・届出と冷凍保安責任者の選任が必要になる。第三種冷凍機械責任者の資格がここに効いてくる。R404A(GWP 3922)や R410A(GWP 2088)はフロン排出抑制法の管理対象で、簡易点検・定期点検と算定漏えい量の報告義務が付く。業務用機器のカタログに載る APF は省エネ法のトップランナー基準に紐づく指標だ。COP の計算は、この規制群のどこに自分の設備が乗るかを判断する前提になる。
数値の実務感覚
この計算に触っていると、効いてくる変数の順位が体で分かってくる。
凝縮温度の影響が圧倒的に大きい。 R404A で蒸発温度を −45℃ に固定し、凝縮温度だけ 30℃ と 55℃ で比べると、COP は 1.98 と 0.99。25℃ の違いで消費電力がちょうど倍になる。夏場に凝縮器のフィンが目詰まりして凝縮温度が 5℃ 上がる、というよくある劣化がどれだけ効くかが分かる。
冷媒の違いは思ったより小さい。 同じ蒸発5℃・凝縮45℃で、R32 の COP 5.51 に対し R410A は 5.37。差は約3%にとどまる。一方で冷凍効果は 247.03 kJ/kg と 162.38 kJ/kg で1.5倍違い、こちらは配管径や圧縮機の押しのけ量に直結する。
COP の絶対値で良否を決めない。 冷凍倉庫の COP 2.54 は、ルームエアコンの 5.51 に比べれば低い。だがその温度リフトでは理論限界そのものが 3.40 しかなく、効率比では 74.5% と健闘している。逆に、リフトの小さい条件で COP 10 が出ても、理論限界が 18 なら効率比は 55% で改善余地が大きい。用途をまたいで比較できるのは効率比のほうだ。
開く場面は大きく4つ
① 第三種冷凍機械責任者の答え合わせ。 過去問では p-h線図から比エンタルピーを読み取って COP や冷凍能力を求める設問が定番で、読み取り値が数 kJ/kg ずれると答えも合わなくなる。同じ条件をツールに入れれば h1〜h4 が個別に出るので、「読み取りを間違えたのか、式を間違えたのか」を切り分けられる。
② 運転データからの劣化診断。 現地で測った蒸発温度・凝縮温度を入れて理論 COP を出し、実測の冷凍能力と消費電力から求めた実 COP と比べる。実機は圧縮機の断熱効率や配管の圧力損失を含むので理論値の6〜8割に収まるのが普通で、そこから大きく落ちていれば熱交換器の汚れ・冷媒量の過不足・膨張弁の不調を疑う根拠になる。
③ 冷媒の置き換え・更新検討。 冷凍倉庫を R404A からアンモニアへ、ショーケースを R290 へ、といった検討で、同じ温度条件のまま冷媒だけを切り替えて理論性能を並べられる。冷凍効果の桁が変わることで循環量がどう変わるかも同時に見える。
④ 過熱度・過冷却度を振って線図の形を見る。 学習用途では、SC を大きくすると 3→4 の垂直線が左へ動いて 4→1 の横幅が伸びる、SH を大きくすると点1がドームの右外へ離れて吐出温度が上がる、という対応を目で確かめられる。教科書の「理想サイクル」が SH = SC = 0 の特殊ケースだったことも実感できる。
使い方は3ステップで終わる
① プリセットを選ぶ。 「ルームエアコン」「冷蔵ショーケース」「冷凍倉庫(NH3)」「ヒートポンプ給湯」の4件から、目的に近い運転条件を選ぶ。冷媒・4つの温度・冷媒循環量の6項目がまとめて入る。ゼロから組む場合は、冷媒6種(R410A・R32・R134a・R404A・R717・R290)をセグメントボタンで選ぶところから始める。選択中の冷媒の化学名と特徴が注記として表示される。
② 温度を入れる。 蒸発温度・凝縮温度・過熱度・過冷却度の4つ。冷凍倉庫なら蒸発温度は −35 のような負値になるので、先頭のマイナスがそのまま打てるようにしてある。凝縮温度の上限は冷媒ごとに違い(R404A と R717 は 55℃、R134a は 65℃、それ以外は 60℃)、範囲を外れると冷媒名と許容範囲を示すエラーが表示される。凝縮温度と蒸発温度の差が 10 K 未満のときもエラーになる。
③ 結果を読む。 COP・暖房COP・逆カルノーCOP・効率比と、h1〜h4、冷凍効果・圧縮仕事・凝縮熱量、蒸発圧力・凝縮圧力・圧力比・吐出温度が並び、下に p-h線図が描かれる。冷媒循環量(kg/h)を入れれば、冷凍能力(kW・日本冷凍トン・米国冷凍トン)・理論所要動力・凝縮負荷が加わる。空のままにすれば冷凍能力の欄は出ず、COP まわりだけが出る。結果はまとめてコピーできる。
8ケースで見る計算結果と読み方
以下はすべて実装の計算エンジンに同じ入力を与えて得た値で、記事用に丸めた以外の加工はしていない。
① ルームエアコン冷房(R32・蒸発5℃/凝縮45℃・SH5/SC5・41 kg/h)
結果: h1 = 522.64、h2 = 567.45、h3 = h4 = 275.61 kJ/kg。冷凍効果 247.03 kJ/kg・圧縮仕事 44.81 kJ/kg。COP 5.51/暖房COP 6.51/逆カルノーCOP 6.95/効率比 79.3%。吐出温度 78.7℃、圧力比 2.94。冷凍能力 2.81 kW(0.729 日本冷凍トン/0.800 米国冷凍トン)、理論所要動力 0.510 kW、凝縮負荷 3.32 kW。
解釈: 6〜8畳用(2.8 kW クラス)の冷房定格に相当する。効率比 79.3% は「標準的」の帯の上端すれすれ。理論所要動力 0.510 kW に対して実機の定格消費電力は 600〜900 W 程度で、その差が圧縮機の断熱効率とファン動力にあたる。理論値と実測の比を取れば機器の出来がそのまま見える。
② 業務用冷蔵ショーケース(R404A・蒸発−25℃/凝縮40℃・SH5/SC5・170 kg/h)
結果: COP 2.54/効率比 66.5%(やや低い)。冷凍効果は 104.67 kJ/kg しかない。圧力比 7.21、吐出温度 55.3℃、冷凍能力 4.94 kW(1.281 日本冷凍トン/1.405 米国冷凍トン)、理論所要動力 1.95 kW、凝縮負荷 6.89 kW。
解釈: ①の半分以下の COP になるが、原因は冷媒でもサイクルの出来でもなく、蒸発温度が 5℃ から −25℃ に下がって温度リフトが広がったこと。逆カルノーCOP も 3.82 まで落ちている。冷凍効果が①の 247.03 に対して 104.67 しかないため、同程度の能力を出すのに循環量が4倍必要になる点も設計上の要点だ。
③ 冷凍倉庫・アンモニア(R717・蒸発−35℃/凝縮35℃・SH5/SC5・330 kg/h)
結果: 冷凍効果 1085.67 kJ/kg・圧縮仕事 428.12 kJ/kg。COP 2.54/効率比 74.5%。吐出温度 167.2℃、圧力比 14.5、蒸発圧力 0.093 MPa。冷凍能力 99.52 kW = 25.78 日本冷凍トン(28.30 米国冷凍トン)、理論所要動力 39.24 kW。
解釈: 警告が3つ同時に出る代表例。圧力比が 10 を超えて単段では成立しにくいこと、吐出温度が 120℃ を超えて冷凍機油の劣化域にあること、蒸発圧力が大気圧 0.1013 MPa を下回る真空運転で空気と水分の侵入リスクがあること——この3つが独立に効いている。アンモニアは冷凍効果が 1000 kJ/kg 超と桁違いに大きく、同じ能力を少ない循環量で出せるのが強み。ここで日米の冷凍トンは 25.78 と 28.30、2.5 トンぶんも食い違う。
④ ヒートポンプ給湯(R410A・蒸発0℃/凝縮60℃・SH5/SC5・88 kg/h)
結果: COP 2.88/暖房COP 3.88/逆カルノーCOP 4.55/効率比 63.3%。吐出温度 87.7℃、圧力比 4.80。冷凍能力 3.19 kW、理論所要動力 1.11 kW、凝縮負荷 4.29 kW。
解釈: 用途が暖房になると読む数字が変わる。製品は凝縮器で捨てる熱のほうなので、所要動力に対する凝縮負荷の比、すなわち暖房COP 3.88 が実際の性能を表す。冷房COP 2.88 だけを見て「効率が悪い」と判断すると、給湯能力を1台ぶん見誤ることになる。凝縮温度 60℃ は R410A に許容する上限で、湯を沸かす用途では避けられない高さだ。
⑤ 同一条件で冷媒だけ変える(蒸発5℃/凝縮45℃・SH5/SC5・41 kg/h)
結果: R32 は COP 5.51・冷凍効果 247.03 kJ/kg・吐出温度 78.7℃・冷凍能力 2.81 kW。R410A は COP 5.37・冷凍効果 162.38 kJ/kg・吐出温度 67.3℃・冷凍能力 1.85 kW。逆カルノーCOP はどちらも 6.95。
解釈: 効率の差は約3%にすぎないのに、冷凍効果は 1.5 倍違う。同じ循環量なら能力が 2.81 kW と 1.85 kW になる、という差のほうが設計には効く。R32 が少ない循環量で済む=配管も圧縮機も小さくできることが、置き換えが進んだ理由のひとつだ。反面、R32 は吐出温度が 11℃ 高く、「R32 は吐出温度に注意」と言われる根拠がこの1行に出ている。逆カルノーCOP が両者同じなのは、それが温度だけで決まる量だから。
⑥ 教科書の理想サイクル(R134a・蒸発−5℃/凝縮40℃・SH0/SC0・100 kg/h)
結果: h1 = 395.66(飽和蒸気そのもの)、h3 = h4 = 256.41(飽和液そのもの)。COP 4.68/効率比 78.6%。吐出温度 46.0℃、圧力比 4.18、冷凍能力 3.87 kW。
解釈: 過熱度も過冷却度もゼロにすると、点1が飽和蒸気線の上、点3が飽和液線の上にぴったり乗る。教科書の p-h線図はこの状態を描いている。ただし過熱度 3 K 未満は湿り圧縮のリスクとして注意が表示される——理想サイクルは計算上きれいでも、そのまま実機の運転条件にはできない。ここから過熱度と過冷却度を実運転の値に振ったとき各項がどう動くかは、数字を変えながら確かめてほしい。
⑦ 効率比が最も高くなる側(R290・蒸発10℃/凝縮25℃・SH5/SC5・70 kg/h)
結果: COP 17.81/逆カルノーCOP 18.88/効率比 94.3%。圧縮仕事はわずか 19.27 kJ/kg、吐出温度 31.9℃、圧力比 1.50。冷凍能力 6.67 kW、理論所要動力 0.375 kW。
解釈: 温度リフトが 15 K しかない条件。COP 17.81 は計算ミスではなく、汲み上げる「高さ」が低いから当然そうなる。チラーで冷水と冷却水の温度差を詰めた運転がこれに近い。COP の絶対値が良否を表さないことの、いちばん分かりやすい例だ。
⑧ 効率比が最も低くなる側(R404A・蒸発−45℃/凝縮55℃・SH5/SC5・60 kg/h)
結果: COP 0.99/逆カルノーCOP 2.28/効率比 43.5%(低い)。冷凍効果 66.86 kJ/kg に対し圧縮仕事 67.35 kJ/kg。圧力比 24.1、吐出温度 79.0℃、冷凍能力 1.11 kW、理論所要動力 1.12 kW。
解釈: 汲み上げる熱より投入する仕事のほうが大きい、という逆転が起きている。単段圧縮ではこの条件は成立せず、二段圧縮か二元冷凍の領域だ。同じ冷媒・同じ蒸発温度でも凝縮温度を 30℃ まで下げれば COP は 1.98 に戻るので、低温側が厳しいときほど凝縮側の設計が効くことが分かる。
仕組み — 閉形式で解くための3つの設計判断
計算フロー
入力: 冷媒 / 蒸発温度 Te / 凝縮温度 Tc / 過熱度 SH / 過冷却度 SC / 循環量(任意)
↓
1. 飽和物性表を温度で線形補間して3点分の物性を取る
Te → pe, hg(Te), sg(Te), cpv(Te)
Tc → pc, hg(Tc), sg(Tc), cpv(Tc)
Tc−SC → hf(Tc−SC)
↓
2. 点1(吸込・過熱蒸気) h1 = hg(Te) + cpv(Te)×SH
↓
3. 点2(吐出) cp2 = √( cpv(Te)·cpv(Tc) )
T2_K = Tc_K × exp[ ( sg(Te) − sg(Tc) + cpv(Te)·ln(T1_K/Te_K) ) / cp2 ]
h2 = hg(Tc) + cp2×(T2_K − Tc_K)
↓
4. 点3(凝縮器出口)h3 = hf(Tc−SC)、点4(膨張弁出口)h4 = h3
↓
5. 冷凍効果・圧縮仕事・凝縮熱量 → COP → 効率比 → 冷凍能力
表は冷媒あたり23点(−45〜+65℃・5℃刻み)で、各行が [温度, 飽和圧力, hf, hg, sg, cpv] の6列。過熱蒸気領域の2変数表は持っていない。ここが設計判断の分かれ目だった。
判断1: 過冷却液の h3 を「表引き」にした
当初案は h3 = hf(Tc) − cpl(Tc)×SC、つまり液の定圧比熱を使って飽和液から引き算する方式だった。物理的には自然だが、臨界温度に近い凝縮温度では液の定圧比熱が発散するため破綻する。R410A で Tc = 60℃・SC = 20 K のとき、この式は 63.1 kJ/kg 下がると計算する。だが真の値は hf(60) − hf(40) = 308.48 − 266.32 = 42.2 kJ/kg。5割の過大評価になる。
液は非圧縮性に近く圧力の影響が小さいので、過冷却液の比エンタルピーは同じ温度の飽和液の値でよく近似できる。表から hf(Tc−SC) を直接引く方式に変えたところ、式が簡単になったうえに正確になり、副次的に物性表から液の定圧比熱の列を丸ごと削除できた。
判断2: 圧縮の定圧比熱に幾何平均を使った
点2の閉形式は「蒸気の定圧比熱を一定」と近似する。この cp をどの温度で評価するかで精度が大きく動く。
| 評価点 | 吐出温度の誤差(中央値/最大) |
|---|---|
| cpv(Te) のみ | 8.6 K / 113 K |
| cpv(Tc) のみ | 逆方向にずれ、最大 −33 K |
| 幾何平均 √(cpv(Te)·cpv(Tc)) | 2.1 K / 18.9 K |
圧縮では状態が低圧側から高圧側へ連続的に動くので、両端の中間的な値を使うのが妥当だ。相加平均も試したが、定圧比熱は温度に対しておおむね指数的に増えるため幾何平均のほうが合った。判断1と合わせると、COP の最悪誤差は 14.0% → 3.25%、中央値は 0.93% → 0.27% に改善している(同一の入力範囲での実測)。
判断3: 反復解を使わなかった
点2は本来、「凝縮圧力の等圧線上で s = s1 となる点」を数値的に解く問題で、厳密には反復計算が要る。採らなかった理由は3つ。(a) 反復には過熱蒸気領域の2変数物性表(圧力×温度)が必要で、保持する定数が一桁増える。(b) 収束判定と反復上限の扱いが実装の主要な複雑さになり、そこがバグの温床になる。(c) 上記の閉形式でも COP 誤差は中央値 0.27% に収まる。得られる精度と払う複雑さが釣り合わないと判断した。
検証
CoolProp の厳密解と、冷媒6種 × 入力を許す全範囲の格子点 26,976 通りで突合した(温度3℃刻み・過熱度と過冷却度は 0/5/10/20 K の全組合せ)。
- COP の相対誤差: 中央値 0.27%・95パーセンタイル 0.95%・最大 3.25%(冷媒別の最大は R717 の 0.31% から R404A の 3.25% まで)
- 吐出温度の誤差: 中央値 2.1 K・95パーセンタイル 7.2 K・最大 18.9 K
吐出温度は COP より近似の影響を受けやすいので、表示値はあくまで理論断熱圧縮後の温度であり、実機は圧縮機の断熱効率のぶんさらに高くなる。
表の刻みを 5℃ から 2.5℃ に細分する案も試したが、COP 誤差の中央値は 0.23% → 0.22% しか改善しなかった。誤差を支配しているのは線形補間ではなく定圧比熱一定の近似だと分かったので、5℃刻みで確定させた。
温度リフト(凝縮温度 − 蒸発温度)に 10 K の下限を設けたのも実測からの判断だ。リフトが 5 K まで小さいと圧縮仕事が 2 kJ/kg 程度になり、わずかな絶対誤差が COP の相対誤差に増幅される(R404A の 蒸発15℃/凝縮20℃ で誤差 7.2%・COP は 49 という非現実値になった)。10 K 未満を入力エラーにすることで最大誤差が 7.17% → 3.25% に収まり、同時に「COP が 50 になる」ような意味のない結果を出さずに済む。実機の蒸気圧縮式冷凍機で 10 K 未満のリフトは、そもそも熱交換器の温度差として成立しない。
計算例: ルームエアコン(R32・蒸発5℃/凝縮45℃・SH5/SC5・41 kg/h)
表引き( 5℃): hg=516.11 sg=2.1363 cpv=1.3058 pe=0.9514 MPa
表引き( 45℃): hg=510.29 sg=1.9888 cpv=2.2056 pc=2.7948 MPa
表引き( 40℃): hf=275.61 ← Tc − SC = 45 − 5
h1 = 516.11 + 1.3058×5 = 522.64 kJ/kg(吸込 10℃)
cp2 = √(1.3058 × 2.2056) = 1.6971 kJ/(kg·K)
T2 = 318.15 × exp[(2.1363 − 1.9888 + 1.3058×ln(283.15/278.15)) / 1.6971]
= 351.83 K = 78.68 ℃
h2 = 510.29 + 1.6971×(351.83 − 318.15) = 567.45 kJ/kg
h3 = h4 = 275.61 kJ/kg
冷凍効果 = 522.64 − 275.61 = 247.03 kJ/kg
圧縮仕事 = 567.45 − 522.64 = 44.81 kJ/kg
COP = 247.03 / 44.81 = 5.5132
逆カルノーCOP = 278.15 / (318.15 − 278.15) = 6.9538
効率比 = 5.5132 / 6.9538 × 100 = 79.28 %
冷凍能力 = (41 / 3600) × 247.03 = 2.8134 kW
= 2.8134 / 3.86 = 0.729 日本冷凍トン
= 2.8134 / 3.517 = 0.800 米国冷凍トン
線図を定規で読む代わりに、この一連の表引きと補間が入力のたびに走っている。読み取り誤差はゼロ、残るのは近似モデル由来の 0.3% 前後だけだ。
他のCOP計算ツールと決定的に違う3点
冷凍サイクルの計算が置かれている状況は前半で触れたとおりなので、ここでは既存ツールとの違いと、サイト内の他ツールとの役割分担に絞る。
1つ目は、逆カルノーCOPとの比を必ず並べること。 COPの絶対値だけを返すツールは「その値が良いのか悪いのか」に答えられない。冷凍倉庫(R717・蒸発−35℃・凝縮35℃)のCOPは2.54、ヒートポンプ給湯(R410A・蒸発0℃・凝縮60℃)は2.88で、数字だけなら後者が優秀に見える。ところが理論限界に対する効率比は74.5%と63.3%で順位が逆転する。温度リフトの違う運転点を、COPの絶対値で比べても意味がない。
2つ目は、日本冷凍トンと米国冷凍トンの併記。 同じ冷凍倉庫の例で、冷凍能力99.52kWは日本冷凍トンなら25.78RT、米国冷凍トンなら28.30RT。約10%違う値が同じ「冷凍トン」の名で流通しているのに、片方しか出さないツールが多い。
3つ目は、冷媒6種を同一の基準状態(IIR基準)で揃えたこと。 基準の違う物性表から拾った比エンタルピーを並べても、冷媒の優劣は比べられない。蒸発5℃・凝縮45℃でR32とR410Aを切り替えるとCOPは5.51と5.37、吐出温度は78.7℃と67.3℃。効率は上だが吐出温度は約11℃高い、というR32のトレードオフがそのまま見える。
役割分担も書いておく。熱機関サイクルの理論熱効率ツールは熱を捨てて仕事を取り出す側、本ツールは仕事を入れて熱を汲み上げる側で、ちょうど対になる。設備設計の流れなら、エアコン能力選定シミュレーターで必要能力を決め、本ツールでCOPと所要動力を出し、冷媒配管サイジング計算で配管径を決める順。空気側の状態量は湿り空気線図計算ツールの担当になる。
冷媒番号とモリエル線図、名前の由来をたどる
「R410A」「R134a」という記号、適当な型番のように見えて実はきちんとした命名規則がある。一の位がフッ素原子の数、十の位が水素原子の数+1、百の位が炭素原子の数−1。R32は百の位が0(炭素1個)、十の位が3(水素2個)、一の位が2(フッ素2個)でCH2F2。R134aは炭素2・水素2・フッ素4のC2H2F4で、末尾の小文字は同じ組成の異性体を区別する記号。R290も規則どおりで炭素3・水素8・フッ素0、つまりC3H8のプロパンだ。700番台は無機化合物の枠で、下2桁が分子量になる。R717はアンモニアNH3(分子量17)、R718は水(18)、R744は二酸化炭素(44)。一方でR410AやR404Aのような400番台は混合冷媒に振られた通し番号で、こちらは番号から組成を読めない。末尾のAは、同じ成分で配合比の違うものを区別する記号。
アンモニアが150年経っても現役なのは潜熱の大きさによる。 0℃での蒸発潜熱は約1262kJ/kgで、R410Aの約5.7倍。同じ冷凍能力を1/5以下の冷媒循環量で運べるので、配管も圧縮機も小さくて済む。GWPは0、オゾン層破壊係数も0。毒性がある点は確かに欠点だが、漏れれば刺激臭がしてすぐ分かるので、無臭のフロン系より発見が早いという安全上の一面もある。産業用の冷凍倉庫や食品工場で今も主力なのはこのため。
線図の名前になっているモリエルは、ドイツの物理学者Richard Mollier(1863–1935)のこと。エンタルピーを座標軸に取った線図を体系化した人物で、彼が主に扱ったのは蒸気のh-s線図だった。日本では冷媒のp-h線図まで含めて「モリエル線図」と呼ぶ習慣が定着していて、文献によっては原音に近い「モリエ線図」表記も見かける。同じ図の呼び名が2通りあるのは、その辺の事情による。
効率比を上げたいときに効く5つのTips
1. 凝縮温度を下げるのが最短経路。 圧縮仕事は凝縮圧力に直結するので、凝縮温度が数℃下がるだけで効率比は目に見えて動く。室外機のフィンの目詰まりや風の吹き返しで凝縮温度は簡単に数℃上がるから、掃除と設置環境の見直しは投資ゼロの省エネ策になる。ツール上でも凝縮温度だけを動かして比べてみてほしい。
2. 過冷却度は「タダで増える冷凍効果」。 過冷却を取ると膨張弁入口の比エンタルピーが下がり、冷凍効果が増える。一方で圧縮仕事は変わらないので、COPはそのぶん素直に上がる。
3. 過熱度は3〜8Kを目安に。 0にすると教科書の理想サイクルになるが、実機では液が圧縮機に戻る湿り圧縮のリスクがあり、注記も出る。逆に付けすぎると吸込温度が上がり、吐出温度がじわじわ上昇する。
4. 圧力比が10を超えたら単段をあきらめる。 体積効率も断熱効率も大きく落ちる領域で、理論COPが出ていても実機では届かない。二段圧縮や二元冷凍に切り替える判断点として使ってほしい。
5. 冷媒を比べるときは温度条件を揃える。 カタログのCOPは測定条件が機種ごとに違う。同じ蒸発温度・凝縮温度・同じ過熱度と過冷却度に揃えて初めて、冷媒そのものの差が見える。
使っていて引っかかりやすい5つの疑問
表示されるCOPが、カタログのCOPやAPFと違うのはなぜ?
このツールが計算しているのは理論サイクルなので、圧縮機の断熱効率と機械損失、配管や熱交換器の圧力損失、ファンやポンプの動力を一切含まない。実機の所要動力は理論値より2〜4割大きくなり、そのぶんCOPは下がる。さらにカタログのAPF(通年エネルギー消費効率)は、季節ごとの負荷率まで重み付けした年間平均値で、定格1点の理論COPとは性質が違う数字だ。理論値は「その運転条件で到達しうる上限」として読み、実測COPとの開きを損失の大きさとして見るのが正しい使い方になる。
吐出温度が実機の測定値と合わない
表示される吐出温度は、圧縮が可逆断熱で進んだ場合の理論値。実機の断熱効率は1未満なので、損失分が冷媒の温度上昇に化け、測定値は理論値より高く出るのが普通だ。加えてこのツールの吐出温度は飽和蒸気の定圧比熱を一定とみなす近似で求めており、厳密解との差は中央値2.1K・最大18.9Kある。低温側で圧力比が大きい運転点ほど差が開くので、吐出温度は絶対値を当てにいく値ではなく、条件を変えたときにどちらへ動くかの傾向を見る値として扱ってほしい。
冷媒を切り替えたらエラーになった
凝縮温度の上限が冷媒ごとに違うのが理由。臨界温度に近づくと飽和蒸気の定圧比熱が急激に大きくなり、比熱を一定とみなす近似が破綻するため、臨界温度から余裕を取った上限を冷媒ごとに設けてある。R404AとR717は55℃、R410A・R32・R290は60℃、R134aは65℃まで。切り替えたときに入力値を勝手に書き換えることはせず、その冷媒で許容される範囲を冷媒名つきで示すようにしてあるので、温度を直せばそのまま計算が続く。何を直せばよいか分からないまま値が変わっている状態を避けたかった。
入力した運転条件はどこかに送信される?
計算はすべてブラウザ内で完結していて、蒸発温度も凝縮温度も冷媒循環量もサーバーへ送信も保存もしない。冷媒6種の飽和物性表もアプリに同梱してあり、計算のたびに外部へ問い合わせる処理は無い。会員登録もログインも無く、ページを閉じれば入力内容は残らない。実機から拾った運転データをそのまま入れて理論値と突き合わせても、その数値が外に出ることはないので安心して使ってほしい。
R404AやR410Aの温度すべりは考慮されている?
考慮していない。この2つは厳密には混合冷媒で、同じ圧力でも蒸発の始まりと終わりで温度が変わる(温度すべり、グライド)。ただし実測値はR410Aで約0.1K、R404Aで0.25〜0.71Kと小さく、飽和温度を1つの値として扱う近似で実用上は足りる。冷凍サイクル全体のCOPを見る用途なら影響はほぼ無い。熱交換器の温度差を0.5K単位で詰めるような設計段階では、冷媒メーカーが公表している混合物としての物性データに当たってほしい。
まとめ
冷媒と4つの温度を入れれば、p-h線図上の4点から冷凍効果・圧縮仕事・COP・冷凍能力までが1画面で出る。見てほしいのはCOPの数字そのものより、逆カルノーCOPに対して何%まで来ているか。改善の余地がどれだけ残っているかは、そこにしか現れない。
熱を汲み上げる側の感覚がつかめたら、裏返しの熱機関サイクルの理論熱効率 計算・比較も眺めてみてほしい。建物側から入るならエアコン能力選定シミュレーター、配管まで決めるなら冷媒配管サイジング計算が続きになる。空気側の状態量を追うなら湿り空気線図計算ツールへ。
計算が合わない、この冷媒も入れてほしい、といった要望があればお問い合わせページから知らせてほしい。
Mahiro
Mahiro Appの開発者。冷凍サイクルの計算は、p-h線図のPDFに定規を当てて比エンタルピーを読むところから始まるのが当たり前だった。物性表をCoolPropから機械生成して読み取り誤差をゼロにしたら、残ったのは近似モデル由来の0.3%だけ。線図を「読む」道具ではなく「描かせる」道具にしたかった。
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